前回のブログでコスメトロジーライセンスの取得方法について説明させて頂きました。
今回は、美容師が就労VISAを取得する方法について紹介させて頂きたいと思います。
就労VISAを取得する方法はたくさんあると思いますが、今回は美容師が取りやすい方法をいくつか絞って紹介したいと思います。
目次
- E-2VISA
- O-1VISA
- グリーンカード(結婚)
- グリーンカード(企業からのサポート)
1 E-2 VISA
E-2VISA(投資・駐在員VISA)
- E-2企業の登録しているサロンを見つける。
- 弁護士を雇う。
- 申請から2ヶ月ほどで取得できる。
- E-2 ステータスについて
●E-2企業の登録しているサロンを見つける。
アメリカの多くの日系サロンはE-2企業です。
簡単にいうと投資をしてアメリカで会社を経営できる許可を持っている日本の企業です。
駐在員として何人か日本国籍の人を働かせることができます。
日本の企業ですが、基本的にはアメリカ人を雇用する必要があるので、マネージメントをするというポジションでVISAを取得することができます。
なので、取得できるVISA枠には限りがあります。
店舗数、社員の数などの会社の規模、マネージャーの役割などで、VISAを取得できる人数が決まってきます。
探す方法としては、アメリカでサロンを探し直接お願いするか、日本のサロンでアメリカに店舗を持っているところがあればサポートしてくれるかもしれません。
有名なサロンで働いた経験や、雑誌や撮影などのクレジットなどの、特別な経歴がなくても取得できる可能性が高いです。
私もこのVISAでアメリカで働くことができています。美容師や美容師以外の友達やお客様でもこのVISAで滞在している方はたくさんいます。
コロナでいくつかのVISAの取得が難しくなっていますが、E-2VISAは影響ありません。
難しい点は、VISA枠に限りがあるということです。
多くのサロンはすでにマネージャーがいるので断られることもありますし、サポートしてもらえても却下されることもあります。でも弁護士費用などは自己負担になることが多いです。
それでも、募集しているサロンは意外に多いので探してみる価値はあると思います。
私の場合は、新しくLAでサロンをオープンするということで呼んで頂きました。
アメリカにサロンをオープンしたいサロンはたくさんあると思うので、日本にいながらでも情報収集できると思います。
●弁護士を雇う。
基本的にE-2VISAを取得するためは弁護士を雇います。
もしかしたら個人でやってる方もいらっしゃるかもしれませんが、私の周りでは全員弁護士を雇っています。
費用$2000~$4000くらいかな?と思います。
キャリアのある美容師さんは会社が負担してくれる場合もありますが、私の周りの美容師は自分で弁護士費用を負担しています。
却下された場合でも弁護士費用は返ってこないので、慎重に弁護士を選ぶことをお勧めします。
多くの場合は会社が弁護士を紹介してくれますが、自分でも調べてみることえおおすすめします。
●申請から2ヶ月ほどで取得できる。
サポートしてくれるサロンを見つけ、弁護士を雇えば申請をすることができます。
申請に必要な会社の情報と自分の情報を弁護士に送れば、弁護士が必要な書類を作成してくれます。アメリカ領事館のサイトでアプリケーションを記入し、写真を添付し、申請料金を支払えば、面接の予約を取ることができます。
その面接に合格すれば5年のVISAを取得することができます。(2年の場合もあるそうです)
2週間ほどでVISA付きのパスポートが送付されます。
パスポートが届けばいつでも渡航できます。
弁護士を雇ってから2ヶ月ほどでVISAを取得できます。
●E-2 ステータスについて
E-2 ステータスというのは、アメリカに滞在できる許可です。
E-2VISAは、アメリカ国内外を行き来することができます。
同じ様にE-2企業からのサポートで取得することができます。
既にアメリカに、他のVISAで滞在している人がアメリカで申請することができます。面接もありません。
申請してから2ヶ月ほどで取得できます。
取得できればその日から働くことができます。
2年ごとに更新する必要があります。
難点としては、日本に帰国できなくなるということです。
でも、E-2VISAを日本で取得するよりもハードルが低く、取得しやすいので多くの人が取得しています。
ステータスでアメリカに滞在しながら、グリーンカードの申請を同時にやる人も多いです。
2 O-1VISA
アーティストVISA・卓越能力者VISA
芸能人や、野球選手、科学者など、その分野で卓越した能力を持った人が取得できるVISAです。
最近では渡辺直美が取得したことが有名です。
美容師がどうやってこのVISAを取得するかというと…
- スポンサーを見つける。
- 賞を取る。
- 映画やドラマのヘアメイクでのクレジットを作る。
- 雑誌や撮影でのクレジットを作る。
- 有名人や大手の企業から推薦状をもらう。
- 自分の作品を撮る。
アーティストとして卓越な能力を持っていることが認められれば、VISAを取得することができます。
このVISAの場合も、弁護士を自分で雇います。
費用は$5000~7000くらいかと思います。
渡辺直美の様に、SNSでアメリカでも認知度が高ければ取得できる可能性は高くなります。
立派な経歴を持っていなくても、スポンサーやコネクションで推薦状を多く準備したり、雑誌に載せてもらったりすることで取得できた人もいます。
また、一人でも有名な人を顧客に持っていれば取得できる場合もあるそうです。
私の友達でヘアメイクで取得した人や、俳優で取得している人もいます。
ただ、コロナの影響でエンタメ業界の仕事が減っているので、今後どうなるかは予想できません。
1〜3年での更新になります。
O-1 VISAもステータスがあります。
もし、最初に学生VISAでアメリカに来る予定の方は、その時からコンテストに参加したり、クレジットを作ることや、コネクションを広げることを意識しておくことをおすすめします。
3 結婚でグリーンカードを取得
アメリカで多くの美容師が取得しているVISAグリーンカードを取得する方法は…
『市民権を持つアメリカ人(Citizen)結婚する』
これが一番早いです。
私の友達は2ヶ月ほどでグリーンカードを取得していました。
※注意点
偽装結婚を疑われた場合は却下、または時間がかかります。アメリカではVISAのための偽装結婚が多いため面接を受ける必要があります。
- 相手の収入が低い場合。
- 相手が不釣り合いな人。
- 付き合った期間が短すぎる。
- 2人の写真が無さすぎる。
- 面接の質問で二人の答えが合わない。
面接では二人の馴れ初めや、デートの時の写真などを提示したり、根掘り葉掘り質問されるそうです。
私の友達は偽装結婚じゃないのに、面接で落とされました。笑
一度偽装結婚を疑われると半年、1年は平気で待たされるので気をつけましょう。
自分たちで結婚の手続きをする人もいますが、多くの人は結婚するために弁護士を雇っています。
『グリーンカード(永住権)保持者と結婚する』
市民権を持つアメリカ人に比べるとかなり時間がかかるので、1年くらいはみておいた方がいいと思います。
※結婚で取得できる滞在期間は3年です。3年後に更新し、10年分の許可がもらえます。
2 企業からのサポートでグリーンカードを取得する。
もう一つグリーンカードを取得する方法として、企業からのサポートがあります。
- サポートしてくれる会社を見つける。
- 弁護士を雇う
- 最短で2年。
- 申請中は他のVISAで滞在するか、日本で待つ。
- 最初から10年の滞在期間を得ることができる。
- 10年後に簡単に更新できる
※注意点
●サポートしてくれる会社を見つける。
まず、サポートしてくれる会社を見つけるところで苦労します。
働いたこともない人を信用して、サポートするということは会社にとってもリスクがあります。
サポートしてくれる企業を見つけている人は、日本での実績を認めてもらったり、OPTで働く機会を得て認めてもらえれるというケースが多いです。
☆私の友達は1年未満でスポンサーを見つけ、申請することができていました。
●弁護士を雇う。
多くの場合、弁護士費用は自分で負担しなければいけません。
私の知る中では、80万から100万くらいはかかります。
アメリカは学費も高いので、学生VISAを延長し続けるのもお金がかかります。そう思えばこれくらいの費用で10年滞在できると考えれば安いかもしれません。しかし、100%取得できるという保証もなく、この金額を支払うのは勇気のいることです。
●最短で2年。
最短で申請を開始してから労働許可をもらえるまで1年半、グリーンカードを取得するまで2年ほどかかると言われています。
申請したからといってアメリカに滞在できる許可をもらえたわけではないので、待っている間にVISAが切れてしまうと不法滞在になります。
スムーズに申請が進んだ場合は2年ほどで取得できますが、何かの審査でつまづくとなかなか進んでいかない場合があります。時間がかかる人は何年も待ち続けています。
●申請中は他のVISAで滞在するか、日本で待つ。
多くの人は学生VISA就労VISAの期限が切れるまでにグリーンカードを申請し、グリーンカードを取得した時に切り替える方法をとっています。
もし他のVISAが切れた場合は、日本に帰国してグリーンカードが届くのを待たないと行けません。
アメリカで待つ場合は、アメリカで面接を受け、うまくいけば1年半ほどで、労働許可証がもらえます。その時点で働くことができます。
日本の帰国してしまった人は、日本のアメリカ領事館で面接を受け、渡航許可証が出たら、アメリカに渡航し、働き始めることができます。
●最初から10年の滞在期間を得ることができる。
●10年後に簡単に更新できる。
メリットとしては、この2つが挙げられます。
最初に発行された時点で10年のグリーンカードが取得できます。
何もなければ10年後に、オンラインで簡単に更新できるそうです。
結婚でははじめの3年で延長する必要があり、更新の手続きも少し面倒なので、この点では企業からのサポートの方が良いと思います。
まとめ
今回は、美容師が取得しやすいVISAの4つの方法について説明させて頂きました。
もしかしたらこの記事を読んで、アメリカで就労VISAを取得するのは難しいと感じてしまった方もいるかもしれません。
私の知る中では実際にたくさんの人がVISAを取得してアメリカで働くことができています。
私は少し苦労しましたが…簡単に結婚相手を見つけてVISAを取得できた人もいますし、タイミングよく枠が空いてE-2VISAを取得できた人もいます。特別な経歴がないのにO-1VISAを取得できている人もいます。
運もあるかもしれません。笑
でも私が言いたいのは、ちゃんと計画してやるべきことをやっていたらVISAは取得できるということです。
たとえ時間がかかっても、最終的にVISAを取れている人はたくさんいます。
諦めずに、挑戦する根気があればきっと取得できると思います。
私はE-2VISAで取得していますが、O-1VISAを申請した経験もありますし、グリーンカードも申請しようしていました。
今後、私の経験したVISAの苦労話についても詳しく書こうと思っています。
最後まで、読んで頂きありがとうございます。
ご質問などがありましたら、いつでもお待ちしています。
AKANE