知らないという事は、最大の恐怖です。
落ちない様に、落ちない様ビビりながら人生を歩むより。
一回落ちるとこまで落ちたら、落ちる場所を知っているので怖くありません。
失敗して落ちても、また上がってこればいいと考える事ができます。
特に、今まで体育会系で部活ばっかり頑張ってきた人たち。
世間では、体育会系は根性あるし、何でもできる!と思われているけど…
私の様に全然自信ない人。いっぱいいると思います。
今までアスリートとして一線で頑張ってきた人は特に、プライドが高く、失敗するところを人に見せたくありません。そのいらないプライドを手放した時人生は、簡単にスムーズに動いていきます。
ぜひ、やってみたい事やってみてください。
目次
- 「一回、ちょっとやってみよ。」
- プライド傷つきまくり。
- 何もない私。
- ノープレッシャーは無敵。
- 何もない自分を応援してくれる人がいたことへの気付き。
- まとめ
1 「一回、ちょっとやってみよ。」
部活漬けの大学生活が終わって、いくつか実業団の誘いもありましたが、肩の怪我のあったのでソフトボールは辞める事にしました。
教員免許も取得していたので、特別支援学校の講師しながら、教採受けようかなーって思っていたのですが…
「私、今までソフトボールしかやった事ない!」
「おしゃれもしたいしなー。」
「そもそも、バイトもやった事ない。」
「世の中の事何も知らないのに子どもに聞かれたら困るなー…」
と思い、教員免許は10年あるし、講師には後からでもなれるから…「一回、ちょっとやってみよ。」と思い…
高校生の時から気になっていた美容師という仕事に目をつけます。
この時22歳、今から美容学校にいくのは時間もかかるし、お金もかかる。通信なら学費も半額で、働きながら資格が取れる。とりあえず美容室に就職や!と思い、行動に移します。
しかし、最近は美容師免許を取得している人しか雇っていないサロンも多く、面接さえも受ける事ができません。
やっと面接してくれるサロンを見つけてもなかなか雇ってくれるサロンが決まりませんでした。
体育会系だった事はとても好印象でした。
しかし…
その当時の私はボブマーリーにハマっていて、レゲエ好きのヒッピーな男。
…みたいな女だったので、見た目で完全にアウトでした。笑
2 プライド傷つきまくり。
これまでプロフィール紹介で自慢しまくっていた様に、私は小学校の頃からチヤホヤされ続けてきた人生でした。
推薦で進路が決まっていたし、入学する前からある程度名が知れていて、自己紹介なんてしなくてもみんな知っているという感覚でした。
「ソフトボールがなかったら、私には何も残っていない…。」
こんなに自分が小さく見えたのは初めてでした。
社会に出てみたら、何の役にも立たないんだと痛感しました。
「もう無理かもしれない…」
「とりあえず美容学校にいくか…」
「諦めて講師になるか…」
と思っていた時に、ずっとバッテリーを組んでいた幼なじみのお母さんの紹介でヘアサロンに就職する事ができました。
「いやー…感謝しかない。」その時は救世主が現れたかの様に感じました。
3 何もない私。
「さぁ憧れのヘアサロンで働くぞー!」
「今まで刈り上げしかしてこなかったヘアスタイルも自由やー!」と張り切っていたのですが…
お客様に挨拶さえもできない…。笑
今までバイトしたこともなく、社交的な性格ではなかったので、初対面の人に挨拶をするという事にものすごく抵抗がありました。
しかも、自分がサロンにいるというだけでも落ち着かないのに…
サロンで働くなんて緊張するし、照れ臭くて何もできない…。
部活の時は、毎日グランドにまで挨拶していたのに…笑
「ちわーっす!れーっす!」とかじゃなく…ちゃんとした挨拶をする事…
無茶苦茶難しかったです。
毎日ロールプレイでスタッフに付き合って頂き、恥ずかしさを乗り越え、体育会系のクセをとる練習に励みました。
お客様と会話する時も、「自分はー…」と話してしまったり、どうしても体育会系の敬語になってしまい、毎日笑われながら成長していきました。
まずは、「私」という練習をしなさい。
「っすよー!」も男っぽすぎて美容師らしくないからやめた方がいい。
など…自分が思っている以上に体育会系のクセというのはサロンでは馴染まないものなんだと痛感しました。
日々、プライドが傷ついていました。
今までは、「ソフトボール」という
自分に自信が持ってること。
人に自慢できること。がありました。
いきなりサロンで働き始めて、美容師免許もなくて、技術もなくて、接客もできなくて、見た目もカッコ悪くて…。
給料も安い。時間もない。肉体労働。
教員免許もあって、安定した職業も手に入れることもできたのに…
世間的に見たら、全然理解できない選択だったと思います。
私の様に、大学までソフトボールを続けて、国体出場経験がある人は教採に受かる確率もかなり高かったと思います。
実際、今まで一緒に部活をやってきた同期はほとんどが講師になり、給料は私の倍。ボーナスももらえて安定した生活を送っていました。
父、祖父、従姉妹も小学校の教師やっていたので、家族からは「学校の先生やったらいいのに…」とよく言われていました。
4 ノープレッシャーは無敵。
でも、なぜか私は毎日が楽しくてしょうがありませんでした。笑
今までは、色んな事に興味がありましたが、小学生で日本代表に選ばれた時から、「ソフトボールは続けなくてはいけない!」と勝手に思っていました。
19歳の時のエピソードでも書いた様に、勝手に人の期待を背追い込んで、ソフトボールを続けないと誰かが悲しむと思っていました。
でも、今は…「誰も期待してない!」
「誰も私が美容師として成功すると思ってない!」
ノープレッシャー☆
ただ、私がやりたいことをやっているだけ。
私は何もないところから、積み重ねていくという事が楽しくてしょうがなかったです。
挨拶ができない自分。→笑顔で挨拶できる自分。
体育会系の自分。→元体育会系の元気な子。
シャンプーができない自分。→シャンプーが得意な自分。
一つ一つできることが増えていく事が、自信に繋がっていき、厳しいレッスンも目標に向かって進んでいる過程にしか感じていませんでした。
たまに昔の友達の話を聞き、「良い暮らししてるなー」とか…
社会人でソフトボールをしている子は、「成功しているなー」とか…
他人がうらやましくなる事はありました。
でも「いつか私も成功してみんなに追いつくぞー!」と自分を奮い立たせて頑張りました。
5 何もない自分を応援してくれる人がいた。
今まで、「ソフトボールが上手いから」という理由で近づいてくる人がたくさんいました。
「部活を頑張っているからすごい!」とよく褒められていました。
それは私に優越感を持たせててくれたし、得をした事がたくさんありました。
その当時、見習い美容師だった私は、長い就労時間、レッスン、休みの日は通信教育の授業、という生活を送っていたので、ほとんど学生時代の友達や家族と話す機会はありませんでした。
特に学生時代の友達は、ソフトボールをやっていた自分との友達だったので、こんな安い給料で見習いをし、毎日接客で注意されながら働いている、少し惨めな自分を見せたくありませんでした。
プライドの高い私は、「一人前の美容師になってからみんなに連絡しよう!」と思っていました。笑
そんな時、学生時代にそんなに仲良いと思ってなかった友達から連絡がきて、「美容師頑張ってるねんなー!今度店行くわ!」と言ってくれて本当にサロンに来てくれました。
その時の私はまだ技術がなくて、ただシャンプーするだけでも冷や汗が止まらない状態でした。
親戚や家族も、部活をしていた自分を認めてくれてはいたけど、美容師の見習いのしょぼい自分には関心がないと思っていました。
でも…母、姉、従姉妹は友達を誘ってサロンに通ってくれる様になりました。
特に、私に関心がないと思っていた父と兄が、私のカットの練習のために通ってくれた事に驚きました。
部活をやっていた時はほとんど会話した記憶がなく、私に全く関心がないと思っていました。
でも父と兄はカットに2時間もかけていたのに毎月通ってくれました。
それをきっかけに父と兄と会話をする事になり、関心がなかったのではなく、私に気を使っていたという事に気付きました。笑
本当は私とゆっくり話をしたかったそうですが、なかなかそのきっかけが掴めなかったそうです。
私は今まで気づいていなかったけど、私を応援してくれる人がたくさんいた事に気づきました。
私は部活をやっている間に、結果や勝ち負けにこだわるクセがついていて、勝手にプライドばかり育てていて周りで応援してくれている人の存在に気づく事ができなくなっていました。
何もない自分を応援してくれる友達や家族は、「自分が成功してもしなくても」「結果が残せても残せなくても」そんな事は全く気にしていない事に気付きました。
気にしていたのは自分だけ。
そこに気付けた私は、友達や家族と積極的のコミュニケーションをとる様になり、以前よりも良い関係が作れる様になりました。
まとめ
15年間ソフトボール一筋で頑張ってきた私が、「やってみたい」という好奇心だけで始めた美容師の見習い。
私はそこで、今まで気付かなかった事をたくさん発見します。
- 肩書きを気にしていたのは自分だけ。
- やる前はめっちゃ怖いけど…一歩踏み出してみたら余裕やった。
- 落ちるところまで落ちれば、何も怖くない。
- ゼロからのスタートは楽しい。
- 何も取り柄がなくなった時に助けてくれる人は一生の宝物。
- 部活を最後までやり抜いた経験は、どんな仕事についても役に立つ。
- 何をやるにも遅いという事はない。
直接的に、大学まで部活をやってきた経歴が美容師をやる上で役に立った事はないですが、体育会系のお客様や、子どもが部活を頑張っているお客様、教育関係の仕事をしているお客様との会話を深められたり、職場内での人間関係や後輩を育てるという場面ではとても役に立ちました。
その時は、遠回りしたかな?とか気にしていましたが…
どんなに無駄に思える経験も全て自分の個性に繋がります。
22歳でサロンで働き始めたので、その時は年下が先輩だったりやりにくいと不安になることもありましたが、10年以上美容師を続けているとそんな事は全く気になりません。
今、アメリカで働いているサロンではアシスタントが全員年上です。笑
「やりたいな」ってちょっと興味のある事は、少しでもやってみて欲しい。という事です。
合っているか合っていないかは、やってみないとわからないです。
今でも「私は美容師に向いてるんかな?」「教師やろかな?」て思うこともあります。
成功しなくても良いし、失敗してもいいです。
自分の経験が全て、自分のために役に立ちます。
やらないといけない!というわけではありません。
興味があるのなら、ぜひやってみてください。
今回は私が美容師をやり始めた時の体験談をシェアしてみました。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
AKANE